昔から「見返りを求めずに善い行いをしなさい。」と言われ、宗教やスピリチュ
アルの世界では更に「 徳を積むことで、現世・来世に幸福をもたらします。」と
続く。
徳には大きく分けると陽徳と陰徳の2種類があり、特に人知れずに行う“陰徳”は見
返りが大きいそうで、そこを強調されて本末転倒になっている人がいる。
実際、善行を褒められて「徳積みになりますから。」「死後に少しでもレベルの高
い所に行きたいので。」などと真顔で言う人もいて、本音が見え隠れすることも珍
しくない。
しかし人間は神様じゃないので、誰かの助けになりしかも本人も幸せな気持ちにな
れるのなら、私は“それもアリ”だと思っている。ただ、中には徳積みの大切さを上
から目線で語りだす人もいて、そんな時は「あなたの徳積みは何のため?」と言い
たくなるが、余計な事なのでそこは一応こらえる。
「やらない善よりやる偽善」という言葉がある。ご承知のようにこれは、
「良いことをしたいと思っていても、実行されなければ何の役にも立たないが、偽
善でも実行された善は、きちんと役に立っている。」
というもので、私も、動機に関係なく実行された時点で それは“偽善”ではなく“善”
だと思っている。
30年前にヒットした『家なき子』(安達祐実主演)というドラマで、理不尽な環境で
育つ子供が「同情するなら金をくれ!」と叫ぶ有名なシーンがあった。
現実問題として、切羽詰まった状況の人は、優しい言葉よりも万札に助けられる。
ネットを見ると、徳を積む方法とその効果がズラッと出てくるが、興味のある人は
そちらを見ていただくとして、ここには「善行を行う時に気を付けなければならな
いこと」として書かれていた中から、3点だけアップしたい。
◎徳積みとは、自分が不当な不利益を被っても他の利益を優先せよ、という意味で
はない。
◎相手の為になっていない時がある。その人の成長も考えた方法にすること。
「飢えに苦しむ者には魚を与えるより、魚の釣り方を教えてやる方が良い。」(諺)
◎お人好しだと見られて、軽く扱われたり利用されることがある。
あと、陰徳も良いが善行は見習いたいので、善い行いは是非他の人にも教えて広げ
てほしいと思う。