この地に引っ越してすぐ、次男(小6)が新聞配達のアルバイトをすることになった。
家の近所の13軒分だけで、集金も込みの仕事だ。期間は1年間。
近所に住む親戚のお婆さんから頼まれたもので、「越してくるのを待ってたよ♪」
と言われたが、私はキッパリとお断りした。しかし「もう知り合いの販売店と約束
してしまった。」と食い下がられ、「親に無断で何を勝手な。」と私は怒り心頭。
ところが (元)夫が「させればいいじゃないか」と、もろ手を挙げて賛成にまわった。
私は何故そこまで強く反対したのか。実はこの何年か、新聞配達の中学生が車の事
故・通り魔・野犬に襲われるなどで、亡くなることが続いていたからだ。
それだけではない。その数年前、九州の社宅で暮らしていた時のこと。隣の地区で
新聞配達中の男子中学生が、早朝車の事故で亡くなるという事があった。
それから約1か月後のある日、いつものようにAさんが新聞代の集金に来たのだが、
ゲッソリと瘦せており、私はその変貌ぶりに目を丸くして彼女を見つめてしまった。
私の反応を見たAさんが力なく笑って言った。「私、痩せたでしょう?1ト月前に
息子が、新聞配達中に車に轢かれて亡くなって…。」「3人子供がいたんですけど、
あの子だけ新聞配達の手伝いをしてくれていて。一番親孝行な子でした…。」
まさか事故に遭ったのがAさんの息子さんだったとは知らず、Aさんは涙をこらえて
話してくれているのに、私の方は涙ポロポロに。
次男にもその話をしたが、本人は周りの期待とバイト料に釣られてやる気満々。
結局押し切られる形で、私も渋々承諾することになった。
結論から言うと、次男は約束通り毎朝6時前には自分で起き、風邪気味の時も吹雪
の日も1年間やり通した。(宿泊学習の時と熱が出た時には、私か夫が代理で配達。)
実はここの学校に転校してすぐに、友達になった子から誘われて野球部に入部した
のだが、コーチが熱心な人で夕方7時過ぎの帰宅になることもザラ。その為早朝の
配達はキツかったと思うが、意地で頑張ったようだ(笑)。
配達最終日にはリクエストにより、自宅ですき焼きの “ご苦労さんパーティー”
をしたのだが、本人は「新聞配達はもう二度とせんよ。」と笑っていた。
ところで小中学生は原則アルバイトを認められていないが、新聞配達などの特定
の業務は例外で、13歳以上ならOKとなっている。ちなみに小6はまだ12歳だ。
子供のアルバイトについては人によって捉え方がバラバラだが、メリットとして
「お金は仕事して得るものという感覚が身につく」「お金の管理ができるように
なる」などが言われる。
確かにそういう面もあるし、息子にとって新聞配達は貴重な体験だった。
しかし同じような状況の親御さんに相談されたら、私はやっぱり小学生の新聞配
達には反対する。
そして、もし子供がもっとお小遣いが欲しいと言うのなら、庭仕事など家の手伝い
をさせてお駄賃を上げることを勧める。こういうやり方に対しては、報酬が無いと
手伝いをしない子になるという意見もあるが、それこそ子供の性格を見ながらで、
親のやり方次第だと思う。