長男と次男が通っていた小学校では、年度途中で転校していく子の親は、クラス
全員に記念品を用意するのが習わしになっていた。
最初は “ノート1冊と鉛筆2本”といったささやかなものだったが、年々派手にな
ってきた為禁止となり、私ら転勤族の母親は学校のその決断を喜んだ。
私が中学生の時、転校してきた女子から「本当は夜逃げしてきたの。」と打ち明
けられたことがある。当然お別れ会も、学校への挨拶も無かったという。
我が子が学校に通うようになってからも、親の離婚で引っ越した子、イジメで単身
赴任の父親の元へ行った子など、やむを得ず転校していった子を何人か見てきた。
彼らの場合も、学校には報告しても同級生へのお別れの挨拶は無く、今でも「元気
にしてるかな…。」と思い出すことがある。
時々、それはイジメじゃなく犯罪だろ…と思うような事件が報道される。大抵加害
者には左程のお咎めが無くて、これでは被害者も親も救われないだろう。
私も昔、教師のひたすら保身に走る言動を目の当たりにした時は、驚きと同時に
ガッカリしたものだが、よく言われるように教師とて一労働者。しかしどんな仕事
にも責任は伴い、ましてや相手は子供達だ。生徒間に問題が発生した時は、良識あ
る大人として覚悟を持って接してほしいと思う。
ところで我が家の子供達も、父親の転勤や家を建てたことで何度か転校を経験して
いる。幸い3人共逞しく育ってくれたが、転校にはプラスの面とマイナスの面があ
り、私は息子達には転勤族になってほしくないと思っていた。
転勤で不都合が起きたという話は珍しくなく、知り合いの中には(滅多に無いこと
だが)息子さんが高校浪人をする羽目になった人もいる。
あと、長男・次男は殆どイトコと会う機会が無かったので、私は孫にはイトコとか
幼馴染とか、そういった付き合いの出来る環境で育ってほしいと思っていた。
現在、息子は3人共地元で働いていて(2人はUターン組)、孫達も転校とは無縁の暮
らしなので、私はこの状況に感謝している。
但し「若い頃の苦労は貴重な財産」「百聞は一見にしかず」で、
人間どこに居ても活躍は出来るが、孫達にも自由な身でいられる若い内に色々な
場所に行き、様々な経験をしてほしいと思っている。