★『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』
(汐街コナ、ゆうきゆう)
[内容]
汐街氏が過労自殺しかけた時の経験を描いた漫画が書籍化されたもの。
[感想]
著者はプロのイラストレーターだが、この本に登場する人物は皆、まるで幼児
のいたずら書きのような形をしている。ところがその人間達が、不思議なくら
い読む側の心に訴えかけて来る。
精神科医のゆうきゆう氏が要所々々で専門的なことを分かり易く説明。仕事に
追い詰められた人が、その状態から抜け出して自分を大切に生きる道を説いて
いる。以下に、そのアドバイスの中から印象的だったものを3つ抜粋。
「会社は誰が欠けても動くようになっている。なっていないのなら、それは
会社の問題」
「最初に理不尽な仕打ちを受け入れると、相手はどんどんつけあがるので戦う
べき時はしっかり戦うこと。自分で戦えないのなら人事や産業医に頼る。」
「替えのきかないもの、それは貴方が誰かの子供であり誰かの親であること。」
★『戦争めし』(魚乃目三太)
[内容]
第二次世界大戦中の、工夫がいっぱいの兵隊ご飯とそれにまつわる短編集。
[感想]
戦時下を背景にしているため、前半は涙なしには読み進められなかったが、
ほのぼのとした絵柄にマッチした人情味のある漫画。
現在定番となっている家庭料理には、帰還兵によって伝えられたものも結構
多く、これは意外で面白かった。食材の足りない中での工夫の仕方は、参考に
なるかも。