ペット販売業が登録制になるずっと前のこと。
山裾の1軒家で一人暮らしをしていた中年の女性(Aさん)が、精神疾患の悪化
のため、半ば強制的に入院させられてしまった。
本人は繁殖のプロのつもりでいたらしく、家には7~8匹の犬猫が残されてし
まったが、退院の見込みもないのに絶対に犬猫は手放さないと暴れ、困りはて
た母親が動物ボランティアに相談。
しかしというか、予想通りAさんはボランティアの説得には耳を貸さず、結局
しかるべきところに相談して母親から許可をもらったという形にし、やっと
犬猫たちを里子に出すことができた。
ここ迄はその時のボランティアさんから聞いた話で、その1年後にひょんな事
から、私の知人宅で飼われている老猫が昔Aさんから譲り受けた“売れ残り”
であることを知った。知人によると、この村にはAさんから売れ残りの犬猫を
引き取った家が何軒もあるという。
Aさんが入院する時、母親は「娘は商品のペットに異常に執着してる。」と言
っていたそうだが、私は知人の話を聞いてAさんの犬猫に対するビジネスライ
クではない愛情を感じた。
このところ劣悪繁殖業者が犬猫を死に至らせる悲惨な事件が後を絶たない。
だがこれは今に始まったことではなく、法律や世間の目が厳しくなったから
明るみに出るようになっただけだとか。
つい先日(10/22日)こんな報道があった。
「動物虐待が相次ぐ中、兵庫県でNPO法人『どうぶつ弁護団』が立ち上げられ、
活動をスタートさせた。」
虐待を早期に発見し被害の深刻化を防ぐのが狙いで、チームは弁護士と獣医師
の計十数人で構成され、動物愛護団体などから提供された情報を調査し、必要と
この活動が功を奏して全国に広がる事を、多くの人が心から願っている。