毒親とは、虐待や過干渉・放置などによって子供を傷つけ悪影響を与える親
のこと。毒親にも様々なタイプがあり、いわゆる機能不全家族は外からは分
からないことが多いが、全く人目を気にしない親もいる。
私が結婚して最初に住んだのは会社が借り上げた民間のアパートで、1階は
食品を中心に扱うミニスーパーだった。朝の9時には店のシャッターが上が
るのだが、その途端に「うるせえぞ、このヤロー!ぶっ殺されてえのか!」
という怒鳴り声が響くのが常で、一度赤ん坊だった長男を抱っこしている時に
その男と目が合って、慌てて逃げたなんてこともあった。
男は家族にも暴力的だったようで、娘さんが2人いたが「父親があんなキ印
じゃ嫁の貰い手はないだろう。」と言われていた。だがある日突然妻子が居な
くなり、程無くして男も引っ越し近所の人は皆ホッとした。
しかしこのように日常的に子供を苦しめる親だけが毒親ではない。
知人が連れていた小学生の孫が、元気の無い顔つきだったのでどうしたのか
と見ていたら、別の知人が教えてくれた。その子の両親が離婚し、どちらも
子供の引き取りを拒否してさっさと別の人と再婚してしまったのだという。
よくもそんな可哀そうなことが出来るもので、彼らも間違いなく毒親だろう。
昔は、ろくでもない親を批判する時に「子供は親を選べない」なんて言った
りしたものだが、最近は「子供が親を選んで生まれて来る」という考えが広
まっていて、その手の本も色々出版されている。
実際「生まれる前に私が自分でお母さんを選んで来た (^^)」と語る子供の話
は世界中にある。
しかしこの世は幸せな子ばかりではなく、親に苦しめられる子も多い。
そんな毒親を持つ子のことを「学びの為に自分でその親を選んで生まれてき
ている。」などと言う人がいるが、年端のいかない子供にとってその考えは
絶望でしかない。冗談でも本人には言ってはいけない言葉だ。
ちなみに私は、例外もあるかも知れないが皆自分の意志とは関係なく、天の
摂理で生まれ落ちて来ているのだと思っている。