子供が3人いるので30~50歳の約20年間は、毎年PТAや地区などで何らか
の役に当たっていた。今は何年かおきに地区の班長と役員がまわって来る
だけなので、随分と楽になった。
役員選出はスンナリ決まらないことが多く、特に現・役員に次の役員決めが
任されている場合は大変だ。私が一番印象に残っているのは、息子のスポー
ツ教室で近所のお母さんに翌年の役員をお願いした時のことだ。
子供の学年でいうと丁度彼女の番だったので電話連絡をしたら、すぐに家に
来て、私には役員をする余裕はありませんと、食ってかかるように言われた。
彼女の暗過ぎる雰囲気が気になったので、大丈夫ですよ他の人にあたってみ
ますからと言ったら、ホッとした顔で帰って行った。
それから半年も経たずに彼女は離婚し、子供達と一緒に家を出ていった。
夫は直後に不倫相手と再婚。楽しそうな2人を見て、私の脳裏にあの時の
彼女の顔と子供達の姿が浮かんだ。たまに自分勝手な理由で役員を逃げる人
もいるが、このように外からは見えない理由で役員を出来ない人もいる。
去年の夏、大阪の市営住宅に住む1人暮らしの男性(36歳)が、自治会の班長
選びに参加出来ないのならと、障害者であることや出来ない作業を書くこと
を強要されて自殺した。自治会側の弁明も読んだが、「しょがいかあります」
「おかねのけいさんはできません」(文面ママ)…更に続く平仮名のたどたどし
い文字を見たら、そこまでする必要があったのかと可哀そうで涙が出た。
以前買った旧・家屋の地域では、転入者は何十年も前に建てられた公民館と
神社の建築費用を、所有する土地の広さに応じて負担する決まりがあった。
我が家は土地だけは広かったので、結構な金額を徴収された。しかし中には
「特定の宗教」を理由に拒否する人もいて、多分そちらが正しい。
最近よく、自治会の加入を断ったらゴミ集積所を使わせてもらえなかった、
子供会に参加させてもらえなかった…などという記事を見る。
おいしいとこ取りは駄目だが、旧態依然とした慣習は改善していかなければ、
役員の仕事や自治会の加入は益々敬遠されるだけだと思う。