最近、近所の奥さんが朝の散歩を始めたようで、時々ジャージ姿で早歩きをす
る姿を見かけるようになった。しかし目の前ですれ違っても、目を合わせよう
ともせずまるで別人だ。しかも随分と若返って見える。
よく似てるけど、あの女性は後妻さん?前の奥さんは離婚して出ていった?
ある時鉢合わせた人に聞いてみた。返ってきた答えは「ああ、あれ娘さん。」
私は思わず爆笑した。まだ学生だと思っていたが、いつの間にか大人に…^^;。
事程左様に、人は一度勘違いしたらそのまま思い込んでしまうところがある。
しかし、その内容によっては笑えない場合もある。
数年前我が家にお巡りさんが来て、ゴミ集積所でボヤ騒ぎがあったことを告
げられ「Kさんが、ほたるさんを見たと言ってるのですが。」と言われて驚い
たことがある。その集積所には約100軒分のゴミが集まるのだが、それは当日
の朝に持ち込む決まりになっていて、この日私はKさんの姿は見ていない。
お巡りさんはすぐに帰り、この話はこれで終わったのだが、問題はKさん。
この数日後に偶々道で出会ったのだが、この事には全く触れずに何故か満面
の笑みで彼女が参加している趣味の会に誘われた。私は内心苦笑して、警察
が家に来たことは言わないでおいたが、気持ちは複雑だった。
話は飛躍するが、私は何かの事件の目撃者になっても「絶対あの人です。」
という言い方はしないと決めている。
きっかけは昔「冤罪で逮捕された男性が、刑期を終えてから自力で真犯人を
捜し出した。」という記事を読んだことだった。この人の場合、目撃証言が
逮捕の決め手となったらしく、写真で見る真犯人は顔も背格好も驚くほど
本人とよく似ていた。これでは間違えるのも無理はないと思ったが、だから
といって謝って済む問題ではない。この事で私も“絶対はない”と心に刻んだ。