ついこの間のこと、友人(Hさん)のところにこんな相談があった。
「近所の1人暮らしの女性が病気で緊急入院となり、家に10匹以上の飼猫
が残された。それから3日も経つのに、コロナ禍で面会させてもらえない。」
猫達はすぐに、近所の人達の協力のもと窓ガラスを割って救出され、市内の
ボランティア団体が一時保護。飼主の女性には感謝されたという。
この話を聞いて、今年4月に読んだニュースを思い出した。
「武蔵村山市の高齢女性が急死し、21匹の猫が残された。しかし女性には
息子がいるからと(元々別居で猫には無関心)、行政は頑なにボランティアが
救助することを拒否。すったもんだが続いたが、ボランティアが有力政治家
に相談したところやっと許可が下りた。」
しかし猫達を保護出来た時は、女性の遺体発見から24日も経っており、皆
衰弱していて中には間に合わなかった子もいたという。
高齢者の入院や病死などで、ペットが放棄されるケースは意外と多い。だが
先に書いたHさんともう1人の友人は、自分が関わった犬猫は絶対に見捨
てない。2人が保護して里子に出した数は、それぞれ優に100匹は超えて
いて、仕事をしながら1人で、どうしたらそこまで出来るのかと感心する。
彼女達の家にはまだ何匹かの保護犬猫が残っていて、本人が死んだ時は子供
さんが面倒を見ることになっている。しかしどちらの娘さんも独身で、しか
も日中は仕事で家に居ない。多頭飼いは大変だろう。
Hさんは「猫達には手間もお金もかかる。娘も可愛がっているが、彼女にと
っては負の遺産。これ以上増やすわけにはいかない。」と言っている。
多頭飼いに限らず一人暮らしの人の場合は、万が一に備えて知人やペット
信託などに依頼しておくことが大切で、下記の事をしておくと更に安心だ。
①外出先でのアクシデントに備えて、財布にペットを飼っていることと、
万が一の時のレスキューの連絡先を書いたメモを入れておく。
②部屋の目立つ場所に、①と同じことを書いた大きな紙を貼っておく。