[内容]
ダンサーを夢見る、太めの女子高生を中心に繰り広げられるミュージカル。
(2007年製作国アメリカ)
[感想]
舞台は1962年アメリカのボルチモア。人種や体形に対する差別に焦点が当て
られており、普通なら重くなりそうな内容だが、ストーリーがシンプルで楽
しいミュージカルだった。
トレイシーはいつも明るくて前向きな高校生。ビッグサイズの体形だがダンス
が得意で、ヘアスプレーとラジオが有ればご機嫌だ。
ある日憧れのダンサーと踊るのを夢見て、人気テレビ番組のダンスオーディ
ションを受けるが、太ってるのを理由にあっけなく落選してしまう。
トレイシーはその日オーディションの為に学校を遅刻しており、罰として
“居残り教室”行きを命じられる。しかしその教室では、思いがけず黒人の
生徒達がダンスを楽しんでいて、すぐに彼らと意気投合。
その後トレイシーは幸運にもテレビ番組のレギュラーとなり、どんどん人気者
に。そんな彼女に嫉妬するライバルの母娘の企みが、漫画チックで可笑しい。
その後、白人と黒人が一緒に踊る“ミックスダンス”を目ざしたデモ行進など、
色々な事が起きるが、差別に立ち向かう仲間や両親の支えのお陰で逞しく成長
していく。
ジョン・トラボルタがトレイシーの母親役で出演しているのだが、さすが
『サタデー・ナイト・フィーバー』(30年前のダンス映画)の主役を演じた人で、
あの特大サイズのファットス―ツであれだけ踊れるのは凄い。
あと、太めのトレイシーのダンスもチャーミングだったが、何といっても黒人
の若者達の歌とダンスが素晴らしく、男女共に見惚れるほど良かった。