[内容]
末期癌を抱えた2人の女性が、一緒に旅をしながら大切なことに気付き、
人生最後の軌道修正を始める。 (2019年 製作国日本)
[感想]
幾つか泣けるシーンがあるが、天海祐希とムロツヨシの演技に何度も爆笑。
余命を宣告された女性たちの話なので軽くはないが、楽しい映画だった。
受賞は逃したが、日本アカデミー賞にノミネートされている。
幸枝は、引きこもりの息子とグータラな夫の面倒を見る健気な専業主婦。
マコ(天海祐希)は一代で財を築いたやり手の女社長で、夫はイケメン気取
りの最低な男。共に末期癌の2人が、入院した病院で同室となった。
ある日入院していた少女が目の前で倒れ、幸枝がその子のお薬手帳を拾う。
その中に“死ぬまでにやりたいこと”と書かれたリストがあり、人生に虚し
さを感じていた幸枝は、少女と自分の為にリストを全て実行することに。
それを打ち明けられたマコも話に乗ってきて、短くも濃い2人の旅が始まる。
スカイダイビングをしたり、スフィンクスを見に行ったり、ライブに参加し
たりと、そんなこんなの全てが2人にとっては新鮮な体験だ。
マコの衣装が、行く先々で素敵に変わるのも楽しい。ヘアスタイルまで
頻繁に変わる理由を知った時は、胸をつかれたが。
マコには、野心など微塵もない忠実な秘書がいて、彼は会社でも旅行先でも
出過ぎず、しっかり社長のマコを支えてくれていた。
この秘書が、何度かコメディアンさながらに変貌して笑わせてくれる。
2人は時々衝突しながらも、互いの家族の関係を見直す手助けをし、親や夫
子供との関係を改善していく。こちらもいい意味で、何度か泣かされた。
言うべきことはきちんと言いなさい、やりたいことはやってみなさいという
メッセージが込められた映画で、リストの最後に書かれていた夢を実現する
方法も、ぶっ飛んでいて楽しかった。