ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

『7つの贈り物(主演)ウィル・スミス』感想

[内容]

重大な交通事故の償いを、文字通り身を削って果たした男性の物語。

                  (2008年 製作国アメリカ) 

7つの贈り物 (字幕版)

[感想]

「僕は7秒間で人生を叩き壊した」というナレーションで物語が始まる。

 

主人公のティムは人と居る時は快活に見えるのに、一人になると辛そうな顔に

なる。今もコールセンターの盲目の男性に、買ってもいない品のことでイチャモ

ンをつけて、電話を切った後で泣きそうな顔をしている。

 

彼は国税庁職員の弟の身分証明書を勝手に借りて、その中からこうして見知

らぬ7人の人間を候補者に選び、条件に適うかどうか一人一人と会い、時に

は説得までして“プレゼント”を続けた。

 

だが実弟への肺の移植を皮切りに、骨髄、腎臓、心臓と、一人ずつ臓器の提供

をしようなんて、文字通り自殺行為。彼は何故そんなことをするのか。

 

中に一人、臓器ではないプレゼントを貰った女性がいた。女性は恋人のDV

から逃げられずにいたシングルマザーで、ティムに説得されても身動き出来ず

にいた。しかしある日、意を決して子供と共に逃げ出し、その素晴らしい家を目

にした時の彼女の驚き。このシーンでは、彼女の感動の大きさ以上に、ティム

の苦悩の深さが強く伝わってきた。

 

そして最後の夜。「時が来た」と親友に電話するティム。

実はティムはホテル住まいで、猛毒を持ったハブクラゲを飼っていた。

観客にはこの時になってやっと、ティムの苦悩を生んだ過去の出来事と、今か

らしようとしていること、そして“七つの贈り物”の意味の全てを知ることになる。

 

ティムのお陰で健康を得た人達が救いだが、一瞬の事故の恐ろしさ、重い十字架

を負ったティムの辛い気持ちが痛いほど伝わり、考えさせられる映画だった。