[内容]
重大な交通事故の償いを、文字通り身を削って果たした男性の物語。
(2008年 製作国アメリカ)
[感想]
「僕は7秒間で人生を叩き壊した」というナレーションで物語が始まる。
主人公のティムは人と居る時は快活に見えるのに、一人になると辛そうな顔に
なる。今もコールセンターの盲目の男性に、買ってもいない品のことでイチャモ
ンをつけて、電話を切った後で泣きそうな顔をしている。
彼は国税庁職員の弟の身分証明書を勝手に借りて、その中からこうして見知
らぬ7人の人間を候補者に選び、条件に適うかどうか一人一人と会い、時に
は説得までして“プレゼント”を続けた。
だが実弟への肺の移植を皮切りに、骨髄、腎臓、心臓と、一人ずつ臓器の提供
をしようなんて、文字通り自殺行為。彼は何故そんなことをするのか。
中に一人、臓器ではないプレゼントを貰った女性がいた。女性は恋人のDV
から逃げられずにいたシングルマザーで、ティムに説得されても身動き出来ず
にいた。しかしある日、意を決して子供と共に逃げ出し、その素晴らしい家を目
にした時の彼女の驚き。このシーンでは、彼女の感動の大きさ以上に、ティム
の苦悩の深さが強く伝わってきた。
そして最後の夜。「時が来た」と親友に電話するティム。
実はティムはホテル住まいで、猛毒を持ったハブクラゲを飼っていた。
観客にはこの時になってやっと、ティムの苦悩を生んだ過去の出来事と、今か
らしようとしていること、そして“七つの贈り物”の意味の全てを知ることになる。
ティムのお陰で健康を得た人達が救いだが、一瞬の事故の恐ろしさ、重い十字架
を負ったティムの辛い気持ちが痛いほど伝わり、考えさせられる映画だった。