世の中にはどう見ても、努力というより親から受け継いだ遺伝子のお陰と
思われるような、学業優秀な生徒がいる。例えば殆ど知らない分野の難し
い本なのに一読しただけで、内容の殆どを記憶してる…とか。
三男と同じ碁会所に通っていた男の子は、12才で囲碁5段、通知表は
オール5で「1を聞いて10を知るタイプ」と言われていた。
近所に住む母の従姉は、自分の息子のことを「高校生になっても家で勉強し
てるのを見たことが無い。復習と宿題は学校でやってしまうと言ってた。」
と笑って話していたが、彼は医者になった。
ただこの2人の場合は、彼らなりのやり方で努力はしていた筈。
こういう頭が良くてやる気もあるタイプが、若くして頭角を現すのだろう。
だが昔から「一番大事な能力は努力し続けられること」と言われ、周りを見
ても確かにその通りだと思う。
又、天賦の才に恵まれて成果を出してきた人が皆、“大器”や“優れた指導者”
になれるかというと必ずしもそうではないようだ。
「名選手必ずしも名監督ならず」で、出来て当たり前で来た人は、他の人が
つまずくことを理解するのが難しいらしい。
ところで知能や人の性格を形作る要素は、大雑把に言うと50%近く遺伝の影響
を受けているとか。しかしその素質が発現するかどうかは環境の影響も大きい
そうで、つまり環境はとても大事だということだ。
一方、よく遊び自由に育った子の方が色々な能力が高いという説もあり、昔
息子(小学生)の担任が「ギチギチに学習管理されてきた子は、中・高校で伸び
悩むことが多い。」と話していたのを思い出す。
いずれにせよ子育ての最終目標は、「社会のルールを守り、自分で食べていけ
る自立した大人になること」で、あとは元気でいてくれたら御の字だと思う。