ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

『絶滅危惧種救出裁判ファイル(大渕希郷)』感想

[内容]

絶滅の危機に瀕してる動物を原告、人間を被告として神様からの裁きを受ける。

副題は『訴えてやる!!人間相手に法廷バトル!?』 (実業之日本社)

 [感想]

国際自然保護連合の調べでは、絶滅危惧種(植物・昆虫含)は全部で22,000種

以上もいるという。

 

本書に登場する動物達は、人間のせいで絶滅した動物ばかりなので、当然被告

は全て有罪だ。読んでいて胸が痛くなるが、知らなきゃいけないと思う。

動物は殆どがリアルイラストで、人間と神様は漫画風。

漢字にはルビがふられているので、小学生でも1人で読める。

 

裁判は、例えばキタシロサイだとこんな具合だ。

原告(サイ)の証言…「角を獲るためだけに私たちを殺すんだ。(略)しかも角の価値

         が上がるからといって、私たちの絶滅を願ってるらしい。」

被告(人間)の弁明…「角は、漢方薬のためにとても必要でした。(略)何とか密猟者

         の手から守り、繁殖させようとしています。」

判決(神様)   …「保護活動はもちろん、動物に対しての道徳心も育んでもらい

         たいものだ。」

 

他に、計12種の裁判の様子が書かれている。

 ・人間が作り出した環境のために犠牲になった動物

 ・乱獲と、害獣として駆除された動物

 ・人間により移動させられた外来種と、その動物の犠牲になった動物

 ・住み処を人間によって破壊されて絶滅しかかっている動物  等々   

                        

見開きで「既に絶滅してしまった動物たち」「世界の絶滅危惧種マップ」が確認

出来、エピローグではどうして野生動物を守らないといけないのか、私たちに

出来ることは何かが、分かりやすく説明されている。