[内容]
絶滅の危機に瀕してる動物を原告、人間を被告として神様からの裁きを受ける。
副題は『訴えてやる!!人間相手に法廷バトル!?』 (実業之日本社)
[感想]
国際自然保護連合の調べでは、絶滅危惧種(植物・昆虫含)は全部で22,000種
以上もいるという。
本書に登場する動物達は、人間のせいで絶滅した動物ばかりなので、当然被告
は全て有罪だ。読んでいて胸が痛くなるが、知らなきゃいけないと思う。
動物は殆どがリアルイラストで、人間と神様は漫画風。
漢字にはルビがふられているので、小学生でも1人で読める。
裁判は、例えばキタシロサイだとこんな具合だ。
原告(サイ)の証言…「角を獲るためだけに私たちを殺すんだ。(略)しかも角の価値
が上がるからといって、私たちの絶滅を願ってるらしい。」
被告(人間)の弁明…「角は、漢方薬のためにとても必要でした。(略)何とか密猟者
の手から守り、繁殖させようとしています。」
判決(神様) …「保護活動はもちろん、動物に対しての道徳心も育んでもらい
たいものだ。」
他に、計12種の裁判の様子が書かれている。
・人間が作り出した環境のために犠牲になった動物
・乱獲と、害獣として駆除された動物
・人間により移動させられた外来種と、その動物の犠牲になった動物
・住み処を人間によって破壊されて絶滅しかかっている動物 等々
見開きで「既に絶滅してしまった動物たち」「世界の絶滅危惧種マップ」が確認
出来、エピローグではどうして野生動物を守らないといけないのか、私たちに
出来ることは何かが、分かりやすく説明されている。