[内容]
6歳の少年とその家族の、ありきたりだが平坦ではない人生を描いたヒューマ
ンドラマ。 (2014年 製作国アメリカ) 映画賞受賞。
[感想]
この映画の稀有なところは、日本の長編ドラマ『北の国から』のように、2人の
俳優と2人の子役が12年の歳月をかけて同じ役を演じ続けている点だ。
シングルマザーのオリヴィアは、キャリアアップの為に大学で心理学を学ぶと
決め、子供達と共に故郷のヒューストンに戻る。オリヴィアが大学で学んでいる
間、メイソンと姉のサマンサは、姉弟の祖母に面倒を見てもらうことになった。
街に慣れた頃、離婚後アラスカに行ってた元夫が突然戻って来て、家族との交流
が再開するが2人が元の鞘に収まることはなく、オリヴィアは大学教授と再婚。
彼の連れ子も交えての同居生活が始まるが、教授は重度のアル中で家族に暴力
を振るうようになる。メイソン達にも被害が及び、オリヴィアは逃げるようにし
て離婚。その時子供達の心を支えてくれたのは、実父である元夫だった。
メイソンが15歳の時母親に恋人が出来、実父も別の人と再婚して、メイソンは
自分の拠り所が無くなってしまったような寂しさを感じるようになる。
オリヴィアは子育てしながら勉強して、最終的に大学の講師の職も得た大変な頑
張り屋だ。しかし引っ越しと再婚・離婚を繰り返し、その上再婚相手からの暴力。
子供への愛情と責任感はあるのだが、結構自分ファーストな部分があり、その度
に環境が変わって振り回される子供達が、私には可哀そうに見えた。
その後メイソンは、ドラッグ・酒・失恋など苦い体験をしながらも、両親の愛と希望
を胸に大学進学のために旅立つのだが、2人の子役が少しずつ大きくなっていく
のが、まるで現実の彼らの成長を見ているようで、そちらの方も楽しい映画だった。