[内容]
家でも学校でも孤立気味な少年と、隣に越して来た空想力豊かな少女の友情
の物語。 (2007年 製作国アメリカ)
[感想]
原作は世界的なベストセラーとなった同名の児童文学書で、作者の息子が
この映画の脚本を担当している。
田舎町で暮らすジェス(11才)は、5人きょうだいの真ん中の男の子。学校では
家が貧しいことでいじめられ、家ではジェスにだけ厳しい父からの圧迫を感じる
毎日で、1人でいる時はいつもノートに得意な絵を描いて過ごしていた。
ある日隣に同い年の少女レスリーが引っ越して来た。最初は、自慢の駆けっこ
に負けたことでレスリーに素直になれずにいたが、すぐに森に一緒に遊びに行
くようになり、ある日森の中で木の上に作られた小屋を発見。
それからは森に行く度にレスリーによって突発的に、空想の国テラビシアの出来
事が展開されていき、始めは戸惑っていたジェスもこの遊びにはまっていく。
CGによる想像の怪物や動物が沢山登場するのだが、これがどれも独創的で、
また、敵であっても皆どこか可愛い気があるのがいい。
活発で型にはまらないレスリーによっていじめっ子達との関係が改善し、父親や妹、
あこがれの教師との関わりなど、ジェスのリアルの世界も少しずつ前向きに変化し
ていく。しかしラスト間近でまさかの事故が起こり、この映画の題名の意味が分か
った時には泣かされた。
おとぎ話のような空想の世界と、それとは真逆の現実の世界の重さ。
そのどちらにも引き込まれる映画で、考えさせられることも多かった。そんな中で、
知的で個性的な少女レスリーがとてもチャーミング。