ネットを始めた頃はよく、興味の趣くまま色々なページを楽しんでいた。
お気に入りのブログもあり、その中に働きながら仲間と修行のような事をし
ている女性がいた。詳しいプロフィールは無く、何県の人かも分からない。
ある時その人が「誰か譲ってくれないかしら」とつぶやいた。それはプレミア
価格となってしまったマイナーな本のことで、私はそれを持っていた。
以前定価で買ったもので、私にとってはそんな重要な本ではない。
ブログのコメント欄は閉じられていたので、本気で譲って下さいと呼びかけ
ているわけではないとは思ったが、どうしようか迷った。
実は私には、彼女が私と同じ県内に住んでいることと、修業に通ってる場所
が何処かということも見当がついていた。
思い切ってその場所に電話してみたところ、最初は「そんな人はいません。」
と、とぼけられた。しかし私の住所氏名を言って少し話しをしたら、信用して
くれたので翌日そこに本を届けに行った。
本と引き換えに礼金の入った封筒を差し出されたが、それは受け取らなかった。
その日のブログには、私への感謝の言葉が書かれていてホッとしたが、数日後
「都合により…云々。」という挨拶の言葉と共に、そのブログは消滅した。
私は彼らとこれ以上関わる気は無かったし、この事を人に話すつもりもなかった。
しかし彼女は、身バレしたことに怖さを感じ、活動に支障が出ることを心配した
のだろう。私は、今後こういう余計なことは2度としないと決めた。
ちなみに身バレは、文脈からの推測がビンゴしただけで、わざわざ調べたわけで
も、超能力でもない。