[内容]
落ちぶれた初老の弁護士が、医療過誤訴訟に挑む姿が描かれている。
(1982年 製作国 アメリカ)
[感想]
ダメ男だった弁護士がどんどん頼もしくなっていくのと、どんでん返しに繋がる
演説が見どころの映画。
弁護士のフランクは、若い時に権力に楯突いたために業界からはぶられ、それ
以来アルコール依存症となって、仕事もままならない状態だった。
そんな彼を見かねて先輩弁護士が、医療ミスで植物状態に陥った女性の、訴訟
の仕事を持ってきてくれた。
病院側は、ミスは認めないが多額の和解金を提示していて、フランクは弁護士
としての起死回生のチャンスと喜んだ。
しかし出産時の麻酔ミスで植物状態になった女性を眺めている内に、忘れてい
た良心と正義感が沸き起こり、法廷で本気の闘いを挑むことに。
闘う相手は教会が経営する大病院で、医療ミスをしたのは名医と言われる有名
な医師。そして裁判を担当するのは大手の法律事務所だ。
担当の医師と弁護団、そして裁判長までもが揃って権力をカサにきた連中で、なか
でも相手の弁護士は、勝つ為には何でも有りの男だった。
バーで知り合って心の支えになった女弁護士が、実は敵側のスパイだったり、証人
の出廷や証拠能力を否定されるなどの数々の裏工作に、フランクも最後は敗北を
覚悟するが…。
クライマックスはフランクの最終弁論で、その切々と訴えるような熱弁と、何が正義
かを判断した陪審員には、私も思わず拍手。
受賞は逃したが、アカデミー賞にノミネートされたのが頷ける良い映画だった。