10年以上前のこと。知人の親戚の娘さんが、結婚数年で離婚して帰って来た
のだが、別人かと思うほど痩せ細っていたという。
離婚の原因は娘さんの夫による、毎日の掃除のチェック。
それは“障子の横組み部分”を指でなぞるような細かさで、ノイローゼになっ
てしまったそうだ。それでいてその夫は、家事は全くしない人だったという。
昔は「僕はきれい好きなんだが。」と妻のことをこぼしながら、自分は男だか
ら家事はしないという男性は珍しくなかった。
今時こんな男性は少数派だろうが、よく言われるように夫は上役でも監督でも
ない。注意するにしても愛情が無ければ、良い関係を続けるのは難しいだろう。
ましてや粗探しだなんて、昔と違い現代女性は反撃するか逃げるかだ。
以前何かで、こんな内容の記事を読んだことがある。
農業関係者のバスツアーで田園地帯を走っている時に、誰かが「この辺りの
雑草の手入れ具合はどうですか?」と聞いてみたところ、雇い主の立場の人達
は「雑草だらけだ」と答え、雇用されてる立場の人達からは「きれいに刈られ
ている」という答えが返ってきたそうだ。
仕事の評価というのは得てしてそんなもので、職種は違えど、その仕事をした
本人の自己評価より、上司や先輩など仕事を任せた人の評価の方が辛いもの。
部下はそうやって育てられていくのだが、上の者が重箱の隅をつつくようにな
っては、反発されるのがオチだろう。