[内容]
臓器売買に絡む殺人事件に気付いた女医が、真相解明に動く医療サスペンス。
(1978年 製作国 アメリカ)
[感想]
題名の“コーマ”は昏睡状態という意味。
少し古めかしい映像のため、最初はあまり期待せずに観ていたのだが、誰が
いつ敵として豹変するか分からず、ハラハラしながら引きこまれて観た。
研修医のスーザンが勤める総合病院で、簡単な筈の手術で親友が死んだ。
同じ時期に簡単な手術を受けた若者も植物状態に陥っており、親友の死因に
不信感を抱いたスーザンは、調べるうちにこの病院では、若者の手術中の死亡
が多発していることに気付く。しかもそれらは全て、同じ手術室で起きていた。
とにかく主役のスーザンが行動的で、命の危険を顧みず、新たな殺人事件にも
怯むことなく、証拠探しにたった一人で奮闘。
植物状態となった患者は、ある医学研究所に運ばれてることを知ったスーザンは、
この研究所の見学ツアーに参加する。そこでは患者はコンピューターで管理され
ていたのだが、生きてる人間の扱いとは程遠く ちょっと衝撃。
見学が終わった後、スーザンは1人で研究所に忍び込み、犯罪の証拠を掴む。
彼らは、病院の患者を故意に昏睡状態におとしいれ、この研究所で患者の
肉体から健康な臓器を摘出して、移植用に世界各地に売りさばいていたのだ。
恋人も同じ病院の外科医だが、彼女の疑問は一笑に付され、相談した上司に
は「仕事を休め。」と言われる始末。とにかく誰もかれもが怪しくて四面楚歌
状態。その後スーザンが真実を知ったことに気付いた黒幕は、彼女を病人に
仕立てあげて、他の犠牲者達と同じ方法で殺そうと企むが…。
40年以上も前に作られた映画だが、今、犯罪性の有無に関わらず臓器売買は
世界中で問題となっており、まるで現代を予告したような映画だった。