ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

サーカスの子供

小6の時、町にサーカスがやって来た。

公演の少し前にサーカスの子が1人、数カ月間一緒に勉強する為に、私達の

クラスに転入してきた。当時は一クラスに50人以上の生徒がいたため、机は

2つずつくっ付けて置かれており、私は席替えでその子と一緒に一番前の席に

並ぶことになった。

 

綺麗な女の子で、体格は中学生並み。大きいなと思ったら2歳年上だった。

いつもニコやかだったが、誘っても私達と一緒に遊ぶことは無かった。

 

ある日学力テストがあり、彼女の返された答案用紙を見たら全部零点だった。

60年も前のことなので、多分巡業であまり学校に行けてなかったのだと思う。

零点に驚いて思わず「え?」と二度見してしまったが、彼女は怒ることもなく、

そんな私をニコニコと見ているだけだった。

 

家族全員でサーカスを観に行った時に、彼女も何かに出てるかなと思って姿

を探したが、子供の出演は最後まで一人も無かった。

 

ところで、歌舞伎や大衆演劇など、子供が舞台に立っている例は沢山あり、

子供自身の頑張りもさることながら、家業として子供のやる気と芸を育てなけ

ればいけない親も大変だろうなと思う。

 

ただ世間には、子供を役者やタレントとして働かせることを疑問視する声が

あり、就学時間・睡眠時間は十分に確保されてるのか…という心配もある。

私は、プロを目指してスポーツを頑張る子と同じで、子供の時から芸能を頑張る

のも有りだと思うが、練習で肩や肘を壊した子の話や“子役の末路”なんて記事

も珍しくないので、子供の将来を潰すような指導だけはしてほしくないと思う。