私50代で、飼犬と朝の散歩をしていた時のことだ。
人を何人か乗せたマイクロバスが、出会い頭に乗用車の鼻先を擦ったが、
そのまま走り去ってしまった。
乗用車を運転していた男性(A氏)は、助手席の奥さんを降ろしてマイクロ
バスを追いかけ、私は奥さんから「証人になって下さい。」と頼まれた。
話し合いはその夜のうちに行われ、私もその席に呼ばれた。
上司と一緒に来たマイクロバスの運転手は「気が付きませんでした。」と
平謝りだったが、A氏は「逃げた上にしらばっくれた。」と思ったようで、
お詫びの言葉を繰り返す相手を、罵倒し続けた。
自動車事故の被害者が高圧的になるのは珍しくないそうだが、それにしても
度の過ぎた怒り方で、相手の男性が気の毒になったほど。
だがそこまで怒るのには、もう一つ理由があった。
A氏の車は小型ながら外車だそうで、目立った傷はついてなかったが、結構な
額の修理費がかかるとか。その後は賠償と保険の話になったので、部外者の
私は帰らせてもらった。
マイクロバスの運転手は本当に気付かなかったのかも知れない。
だがもし気付いていたのだとしたら、どんな小さな事故でも逃げちゃいけないし、
正直に話すことだ。あと、こういう揉めそうなケースの場合は、後顧の憂いを
無くす為にも加害者は警察に届けるべきだと思う。
いずれにせよ、怪我人が無かったことは不幸中の幸いだった。