ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

コンラック先生 (主演)ジョン・ヴォイト

[内容]
黒人だけが住む島に赴任した白人教師と生徒達の、実話を元にしたヒューマン
ドラマ。                   (1974年 製作国アメリカ)
[感想]
元教師だった作家の自伝的小説が映画化されたもので、地味に良い映画だった。

 

コンロイが赴任した島の学校の生徒は、誰一人読み書きが出来ず、数学も歴史
も音楽も知らなかった。

 

 校長は「子供達は、白人を喜ばせるように生きていかなきゃいけない」「叩いて厳

しく躾けろ」と言うような人間だったが、驚くのが校長もまた黒人で、しかも女性だ

ったことだ。当時の黒人女性としては別格の彼女も又、黒人としての呪縛から解き

放されていないことに驚かされるが、それほど差別が酷かったということだろう。

 

コンロイは教師として子供達と本気で向き合い、それでいて接し方はフランクだ。
彼の授業はとてもユニークで、教室から飛び出して色々な体験をさせ、島に暮ら
していながら泳ぐ習慣のない子供達に泳ぎも教える。

 

可笑しかったのが、まるで軍隊の行進のように、歩きながら先生が大声で問うと
生徒達も全員大声で答えるという勉強方法。こんな調子で子供達は、どんどん
知識を吸収していき、彼を慕うようになる。

 

そんな型破りの教師に、教育委員会は渋い顔。学校を辞めさせることを匂わせ、
これには生徒だけではなく村人も猛反発するが、コンロイは理解の無い監察官
からクビを言い渡される。

 

結局島を去ることになるのだが、彼は生徒たちに学業だけではなく、大きなもの
を残していった。「人間としての誇りを持て」という教えは、その後の彼らの人生
に少なからぬ影響を与えた筈で、本当に素晴らしい教師だった。

 

コンラック先生 (字幕版)

コンラック先生 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video