ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

飼猫に必要なお金を惜しむ人

当時Yさんは、子供と2人で暮らすシングルマザーだった。

ある日彼女の働く店に、話好きの高齢女性(Kさん)が買物に来た。話しかけら

れて受け答えしてるうちに、その人の飼猫の話になり「うちは毎年、産まれ

た子猫は保健所に持って行ってる。」と言い出した。

 

自分も猫を飼ってる彼女が驚いて、避妊手術を勧めたが「そんな可哀想なこと

は出来ない。」と繰り返すばかり。その感覚のおかしさに、Yさんは思わず

「そんなむごいことしてたら、七代祟りますよ!」と言ってしまった。

 

そこでKさんが怒ると思いきや、本気で怖がりだして「でも、だって」だったの

が「お金が無いし、自分では病院に連れて行けない…。」に変わったという。

 

結局Yさんが、手術代も猫を病院に運ぶのも全部面倒を見るということになり、

夕方私に電話を掛けてきた。

Kさんの家が偶々私と同じ町内だったためで、「猫を病院に連れて行くのだけ、

お願いできませんか?」と頼まれた。

 

しかし翌日Kさんの家に行った私は、思わず「えっ?」。

車庫にはご主人の“クラウン”が鎮座していて、娘さんも同居していた。

どうやらKさんの「お金がない」は「猫ごときに使うお金は無い。」という意味

だったらしく、私に猫を渡す時は「すみませ~ん♪」と満面の笑み。

 

私は決して裕福ではないYさんを思い、憤りを覚えた。

だがYさんから返って来た言葉は、「多分そうだと思ってた。いいよ。あの婆さ

んのためじゃなくて、猫のためだから。」だった。