古い家屋のお祓いを頼んだBさんに、自宅にも来ていただいた。
玄関に入ってすぐ、Bさんが「この家は犬猫に守られてるなあ。」と呟いた。
それについては何の説明も無く、そのまま居間で向かい合って座ったのだが、
目を閉じた彼が、30秒程過ぎたところで「おかしいなあ、ブレるなあ…。」
と言って、首を傾げた。
そこへ飼猫のすずがやって来て、ミニテーブルの上の湯呑の水をピチャピチ
ャと飲み始めた。以下は、その音を聞いて振り向いたBさんと、私の会話。
(Bさん)「何ですか、これは?」
(私) 「亡くなった実家の人達ために、仏壇代わりにここに水を置いてます。」
(Bさん)「ああ、このせいだ。神様が嫌がってます。神棚の下にこういったもの
を置いたら駄目です。」
(私) 「あのう、この神棚はホームセンターの安いやつで、神主さんに魂入れ
もしてもらってないんですが…。」
(Bさん)「ちゃんと氏神様と繋がってます。値段や儀式は関係ありません。毎日
感謝の心で手を合わせることが大事なんです。」
確かに私は毎日神棚の前で、感謝の気持ちで手を合わせている。しかし、それと
て信心深い人の祈りとは程遠いもので、神社に行くことも殆ど無い。
神棚と氏神様が繋がってるなど、私には確かめようが無いが、それでも「大事
なのは心」というのが確認できたようで嬉しかった。
すずがその水を飲むのを見たのは これが最初で最後。偶然にしても凄いなと、
これにも少し驚いている。