[内容]
イギリスの炭鉱町での、家族との暮らしを回想したヒューマンドラマ。
(1941年 製作国 アメリカ)映画賞受賞
[感想]
19世紀末のウェールズの炭鉱町。男達は仲間意識が強く、寄ると合唱が始まる
そんな活気にあふれた町だった。
モーガン家の父親と息子達は、まだ子供のヒュー以外は全員炭鉱で働いていた。
ある日会社が、従業員の賃金カットを強行。組合を結成しようとする息子達と、
それに反対する父親が対立して、息子達は家から出て行ってしまう
ストに反対する父親は仲間達から強く非難され、それに憤った妻が吹雪の中、
野外集会に抗議に出向く。妻は、情に厚いしっかり者。夫の為に、仲間の炭鉱夫
たちの前に立って演説をぶつが、その帰り道で川に落ちてしまい、助けようとし
たヒューまで落ちて、2人共自宅での長い療養の日々となる。
特にヒューは重症の凍傷で、医者から「もう歩けないだろう」と言われるが、
回復の兆しが見えてきたある日、牧師におんぶで丘の上に連れてってもらい、
その時から少しずつ歩けるようになる。
牧師はそんなヒューに「魂を見つける時間を与えられた-(略)-常に考えて神に
正直な気持ちを伝えなさい。その祈りは明確になる。」と言って、静かに励ます。
兄弟の中でヒューだけが学校に行き、最初は教師に馬鹿にされたり、いじめっ子
に殴られたりもしたが、近所のボクシングおじさんのお陰で解決。首席で卒業する。
その間、徐々に衰退していく炭鉱。生きる道を他に求めて町を出て行く兄達。
姉と牧師の悲恋。炭鉱事故で新婚の長兄が亡くなるなど、様々な出来事が起こり、
最後には父親まで事故の犠牲に。ハッピーエンドではないが、骨のあるストーリー
で、見応えのある映画だった。