[内容]
その目で見られただけで死んでしまうという、恐ろしいフクロウと人類との戦い。
[感想]
アメリカ軍によって、大量に人間を殺せる武器にされたフクロウのミネルヴァ。
そのフクロウが東京湾上で逃げてしまい、大勢の人々が死んだ。
そこでアメリカは、日本の山里に住む一人の年老いた猟師に助けを求める。
ミネルヴァは13年前にも脱走しており、その時に戦いを挑んだのが、猟師の
鵜平とその妻だった。
しかし鵜平は、その戦いで妻を亡くしており、「あのフクロウを殺すのは無理だ。
奴は、殺気の来る道を見る。」と言って一度は断る。
この後、自衛隊も巻き込んでの壮絶な戦いが繰り広げられるのだが、無気力だっ
たこの老猟師の強さと迫力が半端ない。
鵜平には養女がおり、この娘も妻と同じ“能力者”だ。
娘はずっと彼を否定してきたが、共に戦う内に養父の本当の想いを知り、わだか
まりの心が少しずつとけて行く。
このフクロウ、自分の意思とは関係なく見たものは全部殺してしまう為に、ツガイ
の相手さえ持てず、しかも周りは自分を殺そうとする者ばかり。
どう考えても哀れ過ぎで、成敗されるべきはミネルヴァを化け物に変えてしまった
人間たちも同じだろう。
ストーリーは緊張の連続なのに、時々笑わせてくれる展開は、著者の別作品
『うしおととら』を 思い出させる。面白い漫画だった