[内容]
過去から来た相談の手紙と、それに返信する若者達の不思議な物語。
原作は東野圭吾。 (2017年 製作国 香港 中国 日本)
[感想]
2017年の大晦日の夜、孤児院出身の3人組が豪邸に押し入り、女性実業家
を縛り上げて逃げた。
取りあえずの隠れ場所として、廃業された古い雑貨店に入り込んだところ、
店の壁の古時計が新年を告げた途端、郵便受けに手紙が落ちてきた。
恐る恐る手紙を開いてみると、何とそれは1993年に投函されたものだった。
実はこの雑貨店は、老店主が手紙で悩みの相談に答えてくれることで、新聞
に載ったこともある、知る人ぞ知る有名な店だった。その店主の遺言により、
今晩だけ過去と現在が繋がれるという、奇跡が始まったのだ。
何も知らない3人は戸惑いながらも、店主になりすましてそれぞれの相談
に、ああだこうだと話し合いながら、何度も返事を書いていく。
この郵便受けに相談の手紙を入れたのは、
シンガーソングライターになる夢を捨てきれない青年、男に騙されてるシング
ルマザーのホステス、父親の破産で夜逃げすることになった少年などだ。
手紙に沿って相談者の当時のシーンが映し出されるのだが、それによって相談
者だけではなく、孤児院出身の3人組も、雑貨店の店主も、全員がとある孤児院
を通じて繋がっていることが分かってくる。
この夜に起きたことは偶然ではなく、何かに導かれてのことだったのだ。
手紙の返事を素直に信じて努力する相談者達が、どんどん成長していく様子や、
不幸な生い立ちでささくれてた3人組の心が、少ずつ溶けていくのが嬉しい。
訳ありの心優しいおじいちゃん役のジャッキーチェンも、とても良かった。