[内容]
顔に障害のある男の子の、学校に通い始めてからの葛藤と成長が描かれている。
(2017年 製作国 アメリカ)
[感想]
10歳のオギーは、遺伝性の疾患(トリーチャー・コリンズ症候群)のため、生ま
れつき人と違った顔をしていた。今迄に27回も顔の手術を受けていて、その傷痕
もある。だがそれ以外は、スターウォーズの空想を楽しむ、普通の明るい少年だ。
ただ外出の時は顔を隠すために、いつも宇宙飛行士のヘルメットを被っていた。
今までは自宅で母親に勉強を教わっていたが、オギーも学校に通うことになった。
心配した通り、同級生達からペスト菌などと言われて、避けられる日が続いたが、
得意な理科と、持ち前の性格で少しずつ認められていき、友達も出来た。
だがある日、親友がいじめっ子に「オギーとは校長に頼まれたから付き合ってる。」
と言うのを聞いてしまい、大きく傷ついて家族の前で荒れる。
映画ではオギーだけではなく、その時の親友やいじめっ子、オギーの姉とその友達
など、周りの人たちの心にも丁寧にスポットを当てていて、それがこの物語に深みを
与えている。中でも、手のかからない優等生であるオギーの姉の「一度でいいから
私を見てほしい。」という、両親への秘か な思いが、胸に刺さる。
それにしてもオギーは本当に恵まれている。まず両親が素晴らしい。姉や姉の友人
達も思いやりがあり、学校では先生が守ってくれた。少しずつ友達も出来た。
多分、現実はもっともっと厳しいと思う。だが彼らの考え方や頑張りなど、見習いたい
と思わせる場面がいっぱいあって、ラストも温かい。この映画のヒットは当然だなと感
じた。時々、オギーが空想するスターウォーズのチューバッカが登場するのも、遊び
心があって楽しかった。