ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

アホは神の望み  (村上和雄)サンマーク出版

[内容]

遺伝子の研究と、“サムシング・グレイト”の意に沿う生き方について解説。

[感想]

サムシング・グレイトというのは、著者が名付けた呼称で、私達の生命の

大もとには、人知を超える不思議で偉大な力が働いているという。

 

著者は、「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功した筑波大学の名誉教授で本書

では「器の大きなアホであれ。」と提言。

イネ遺伝子の解読迄の出来事や、父親を始め恩師や留学時代に著者に大きな

影響を与えた人達とのエピソードなど、面白い話が沢山書かれている。

 

著者の言うアホとは、「信じる道を地道に歩き、利他的で謙虚、頭の良さよりも

心の豊かさを重んじ、陽気で神の望みにも沿った生き方をする」ことをいう。

この場合の“陽気”とは、素直で正直、楽観的、苦しい時にも楽しみを見出す

生き方の事で、それが いい遺伝子のスイッチをОNにするそうだ。

 

「笑いやユーモアは副作用のない薬であり、心の武器でもある。」

「しっかり心定めを行うと、それに引き寄せられるように幸運もやってくる。」

「私は手術の前に必ず祈ります。」(腕の良い外科医の言葉)

上記は昔から聞く言葉だが、著者はこれらを遺伝子や神に焦点を当てて解説。

 

遺伝子の働きは、生体内外の環境の影響を受けて後天的に変わっていき、最も

大きな環境は“精神状態”だそうだ。つまりそれは、心の持ち方が遺伝子の

ОN/ОFFに対してとても大きな力を持っていることだという。

 

本書では特に下記の言葉が印象に残った。

「一つ心にとどめておいていただきたいのは、目に見えるものだけを信じるあ

まり、目に見えないものは 存在しない と切って捨てないことです。」