［内容］
若年性アルツハイマーと診断された女性の苦悩と、家族との絆を描いたドラマ。
(2014年 製作国 アメリカ) 映画賞受賞
［感想］
アリス(50歳)は大学教授で、夫は医師。3人の子供達はそれぞれ住む場所は
違うが、よく実家に集う仲良し家族で、充実した生活を送っていた。
最近アリスが物忘れをするようになり、特に近時記憶障害が顕著で、思い切って
検査を受けたところ、遺伝性の若年性アルツハイマーと診断される。
この病気は進行が早い上に、医者に「この遺伝子を持つ人は必ず発症します。」
と言われ、子供達に打ち明けて検査を勧めたところ、長男は陰性だったが長女
(既婚)には陽性という結果が出た。ちなみに次女は検査を拒否。
アリスは長女を心配して会いに行こうとするが、断られる。その後の長女は、
少し母親によそよそしい感じで、母親の一挙一動が不安だったのか、それとも
遺伝子を受け継いだことで母親に何か思うものがあったのか…。
ある日アリスは、いよいよ自分の尊厳が保てなくなった時の為に、パソコンに
自分に向けたメッセージを残す。それは自殺を指示するものだったが、
いざという時、アリスにはもう意味を理解出来ず、失敗に終わってしまった。
夫は最初の頃、取り乱すアリスに「何があっても僕がついてる」と言っていたが、
結局次女一人に妻を任せて転勤先に行ってしまった。
仕方がない面もあるが、娘の優しさに甘え過ぎの感は否めず、
次女も今はいいが、これから抱えるであろう葛藤が目に見えるようだった。
「癌なら良かった。癌なら恥ずかしくない。」「私を苦しんでいると思わないで。
闘っているのです。」…そんな風に考えていては尚更辛かろうにと思いながら、
同時に 明日は我が身かと 身につまされる思いで観た映画だった。
