ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

家庭モラル・ハラスメント(熊谷早智子) 講談社+α新書

[内容]

著者が夫から受けた実体験を基に、モラル・ハラスメントについて考察。

[感想]

著者は『モラル・ハラスメント被害者同盟』の管理運営者。結婚直後から

離婚するまでの間に、夫から受け続けた精神的虐待が詳細に語られている。

 

「何か言おうものなら、何日もの無視が始まる。」「気に入らない事があると、

何でも勝手に捨ててしまう。」などは序の口で、重い妊娠悪阻で動けない時に

「メシも作れないなら堕ろしてこい!」と言い放つなど、唖然とする話が続く。

著者は当時を振り返って、「夫の不機嫌が何より怖い私は、夫の思うとおりに

考え、動かなくてはならないと思っていた。」と語る。

 

『一言返せば百倍の罵倒』…私の知人の夫もモラハラっぽい人で、彼女も 

「言っても百倍になって返って来るので、何も言えない。」と言っていた。

夫が世間では良い人で通ってるというのも同じで、本書にもあるように、

こういう男性は本気で「俺を怒らすお前が悪い。」と考えるのだろう。

 

夫はバラの花束もくれたし毛布も掛けてくれた。「愛されてると思ったんです。」

そう話しながら、子供の事を心配して相談する著者に心療内科の医師が言った。

「男の子は(モラハラの)父親と対決します‐(略)‐その後、父を捨てるんです。

それが最高の復讐でしょう?」

 

巻末の“モラハラ加害者の特徴”の中から、家族に関するものを一部抜粋。

・親兄弟にさえ「外の顔」を見せ、本当の顔を見せるのは妻子にだけ。

・親兄弟・親戚には気前よくお金を使うが、自分の妻子には勿体ないと感じる。

 

それにしても赤裸々な内容で、著者の元夫はこの本をどう読んだのだろう。