[内容]
著者が夫から受けた実体験を基に、モラル・ハラスメントについて考察。
[感想]
著者は『モラル・ハラスメント被害者同盟』の管理運営者。結婚直後から
離婚するまでの間に、夫から受け続けた精神的虐待が詳細に語られている。
「何か言おうものなら、何日もの無視が始まる。」「気に入らない事があると、
何でも勝手に捨ててしまう。」などは序の口で、重い妊娠悪阻で動けない時に
「メシも作れないなら堕ろしてこい!」と言い放つなど、唖然とする話が続く。
著者は当時を振り返って、「夫の不機嫌が何より怖い私は、夫の思うとおりに
考え、動かなくてはならないと思っていた。」と語る。
『一言返せば百倍の罵倒』…私の知人の夫もモラハラっぽい人で、彼女も
「言っても百倍になって返って来るので、何も言えない。」と言っていた。
夫が世間では良い人で通ってるというのも同じで、本書にもあるように、
こういう男性は本気で「俺を怒らすお前が悪い。」と考えるのだろう。
夫はバラの花束もくれたし毛布も掛けてくれた。「愛されてると思ったんです。」
そう話しながら、子供の事を心配して相談する著者に心療内科の医師が言った。
「男の子は(モラハラの)父親と対決します‐(略)‐その後、父を捨てるんです。
それが最高の復讐でしょう?」
巻末の“モラハラ加害者の特徴”の中から、家族に関するものを一部抜粋。
・親兄弟にさえ「外の顔」を見せ、本当の顔を見せるのは妻子にだけ。
・親兄弟・親戚には気前よくお金を使うが、自分の妻子には勿体ないと感じる。
それにしても赤裸々な内容で、著者の元夫はこの本をどう読んだのだろう。