知人たちが同時期にマルチ商法を始め、誘われて何度か彼女たちの家での
商品説明会に出席した。その内の1つの会員となり、洗剤を買うなど1年
ほどお付き合いしたが、勧誘活動には加わらなかった。
説明会は、主催者や扱う商品が違っても、皆驚くほど言うことが似ていた。
「先輩の多くが成功して、富を得ています。」
「仲間がたくさん出来ます。」「一緒に夢を実現しましょう。」
マルチ商法の正式名は「連鎖販売取引」と言って、ピラミッドの上にいる人
ほど儲かる仕組みだから、言ってみれば早い者勝ち。
だが販売者は同時に消費者でもあり、勧誘相手は親族・友人・知人が殆どで、
在庫を抱えた知人は、「誘った自分が、先にはやめられない。」と悩んでいた。
「儲け話を持ってくる人は、自分が儲けようとしている。」という言葉がある。
「誰でも簡単に儲かる」…そんなうまい話などあるわけがなく、最近は特に
若い人からの悩み相談が増えているという。
国民生活センターがHPで、学生など若者に注意を促している。
・クレジットカードでの高額決済や借金をしない。
・実態や仕組みが分からない「モノなしマルチ商法」は契約しない。
・友達や知人から勧誘されても、きっぱりと断る。
承知のようにマルチ商法自体は、違法ではない。だがトラブルが多く、裁判沙汰
になることもあるので、この仕事をしたいと考える人は、勧誘する相手に誇張や
無理を強いることの無いよう、十二分に注意する必要がある。