「内容」
縁切り寺に駆け込んで来た女性達と、彼女達を手助けする御用宿の人達の
コミカルな時代劇。 (2015年 製作国 日本) 映画賞受賞
「感想」
江戸時代の後期、鎌倉に幕府公認の縁切り尼寺、東慶寺があった。
この時代、妻から夫に離縁を言い渡すことは出来なかったが、この寺で2年間の
修行を終えた妻に対しては、夫は離縁状を出さなければならない定めがあった。
東慶寺には様々な事情を抱えた女性達が駆け込んできており、皆 夫と離縁する
日を夢見て尼僧の厳しい指導に耐え、修行の日々を送っていた。
宿で世話をする人達は皆思いやりがあり、宿に押しかけて狼藉を働く亭主からも
目一杯勇気をふり絞って女性達を守ってくれた。
ここで居候として暮らし始めた信次郎は、御用宿を仕切る女性の甥で、戯作家志望
の見習い医者だ。
彼も又不器用ながら気のいい男で、ワケありの女性たちを助け、その中の一人に
思いを寄せるようになる。
2人の恋のゆくえには、ちょっとだけハラハラさせられるが、思いがけないラストに
笑みがこぼれた。
たまに江戸言葉(?)が聞き取りにくかったが、その為いつもより真剣にセリフに耳を
傾けたせいか、特に大泉洋のセリフ回しはさすがと感じた。
時々緊張の展開もあるが、大泉洋のとぼけた表情と相まって 思わず笑ってしまう
楽しい映画で、逃げてきた女性たちの背景や人間模様も面白く、色々な面でハイレ
ベルな時代劇だと思う。