「内容」
孤独な元有名作家と、下町の才能豊かな高校生のヒューマンドラマ
(2000年 製作国 アメリカ)
「感想」
アフリカ系アメリカ人のジャマールは、バスケットの上手な16歳の高校生。
ある日ジャマールは友人達にそそのかされ、いつもアパートの窓から望遠鏡で
外を見ている老人の部屋に忍び込むが、出る時にリュックを置き忘れてしまう。
後日リュックは返してもらえたが、中に入れていた創作用のノートに、ビッシリ
赤字で添削と批評が書き込まれていた。
実は老人は処女小説でピュリツァー賞を受賞した小説家で、しかし辛い出来事の
為にその1作のみで筆を折っていた。
それ以後のジャマールの生活は、時々衝突しながらも老人から文章の書き方を
教わったり、有名私立の進学校に特待生として転校したりと、幸先の良さを思わ
せる変わりぶり。
だが貧しい母子家庭の黒人少年が歩む道は甘いものではなく、更にそんな中で
教師から盗作を疑われ、退学に追い込まれそうになる。
そして運命の分かれ道となる、作文コンテストの日。
この映画の最高のシーンで、生徒と教師・父母らの注目する中、老人のある行動
のお陰で、ジャマールはむしろ称賛の的となる。
数年後、久しく会っていなかった老人から思いがけない遺品が届いて驚くジャマール。
少年が意図せずに、1人の老人の人生を変えていたことを知るこのシーンも感動的で、
年齢や人種にこだわらずに心を通わせた2人の、素敵な映画だった。