ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

はみ出し銀行マンの勤番日記 (横田濱夫)  角川文庫

「内容」

現役エリート行員が、銀行を批評した辛口エッセイ。

「感想」

『はみ出し銀行マン』シリーズの第1作目で、内容はやや古いが今読んでも

面白く、ベストセラーになったのが頷ける。

 

世間一般の銀行に対するイメージで代表的なのは、

手堅い高収入の職業だが、ノルマが厳しく、帳簿の金額が1円でも合わなかっ

たら徹底的に調べさせられ、結構大変そうといったところか。

 

しかし本書では、そんな生易しいもんじゃございやせん、とばかりに驚くような

話が続き、「カネ貸し稼業というものは、とにかく罪障を積みやすいもんだぜ。」

と、こんな調子で著者のユーモラス且つキツい銀行批判が続く。

 

あと書きを書いた上司によると、実際の本人は有能で礼儀正しく、しかもこの本

の出版後1年半も勤め先の銀行に留まっていたとか。

 

以前私の趣味仲間だった銀行勤めの女性(30代後半)も真面目な努力家で、

金融商品と資格取得の勉強の為に、休日の行事にはあまり参加できず、皆で

銀行の仕事は大変そうだねと言ってたのを思い出す。

 

本書では他にも、「上役もそうだ。お前らは経営者でもなんでもねーんだよ。

ただの使用人のくせに部下の残業手当を削らせるんじゃねえよ。」

「俺んとこの銀行では、困り果ててとうとう第一勧銀からシステムそっくり

買って-(略) とにかく1000億円の開発費はドブに捨てたってわけだ。」

 

と、かなり乱暴な物言いだが、思わず苦笑したり、目がまん丸になる話が続く。

著者は現在、マネー評論家としての講演活動の他、金融関係のCDも出している。