ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

お人好しの罠 (伊達一啓) PHP研究所

「内容」

お人好しについての分析と、痛い目にあわない為の注意点が述べられている。

 

「感想」

気のいい人は、優しく・おとなしく・人を信じやすく、結果人に騙されやすいという。

本書にはアッシーからイラクに対するクウェートの反撃まで、甘い対応のせいで

酷い目に遭った事例が幅広く挙げられている。 

 

相手の悪意に気付かずに、苦い思いをしたことのある人は結構多いと思うが、

人は皆大なり小なりそういった経験をして、強くなっていく。

 

とはいえ、理不尽なことは出来るだけ避けたい。

その点で、本書に書かれていることは、転ばぬ先の杖として参考になりそうだ。

 

「悪人はもとより普通の人でも、お人好しにはあまり気を使わなくなり、軽んじる

ようになる。」…これは本当にその通りで、自分が下の立場だったり、お人好しな

対応をした時ほど、良くも悪くも相手の人間性が露わになる。

 

私も、心優しい人に間違った甘えをせぬよう気を付けねば。

 

『人を助けてあげたい症候群』…これは頼まれもしないのにこちらから救いの手を

差し伸べる人のことだそうで、やや否定的なニュアンスで語られている。

では“破滅寸前”まで我慢している人や、頑張ってる人がいたらどうしたらよいのか。

 

私は、人にはたとえ頼まれなくとも手を貸すべき時があり、それは甘やかしでも

自己満足でもないと思っている。

 

…と偉そうに書いたが、実際行動に移すのはとても難しい。

小さな親切なら誰でも出来るが、下手をすると共倒れになって、自分だけではなく

家族まで巻き込む場合もあるので、よく見極める必要がある。