ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

トットちゃんとトットちゃんたち 1997‐2014 (黒柳徹子)講談社

 

「内容」

著者がユニセフ親善大使として18ヵ国を訪問した時の記録。2015年出版。

「感想」

(この感想文には、1997年出版の前著からの引用も含みます。)

 

「神様って本当に居るのかな」と呟く著者の気持ちが強く伝わって来る内容で、

長い内戦で混乱しているアフリカの国々、飢え・マラリア・HIV・人身売買・奴隷

のように働かされる子供達の話が続く。

 

縫いぐるみの中に仕掛けられた爆弾。

アフガニスタンの地雷被害者の半数は子供で(2001年の訪問時)、そんな中

孤児であるが故に、地雷探知機を持たない人達の先に歩かせられた子供達。

 

アフリカに住みながら、アフリカにはどんな動物がいるのかを知らない子供達。

子供達への配給食料品の不足の為、体重が標準の7割はあるからと、配給から

はずされた子供達。

 

ウガンダで139人の女子学生が反政府組織に誘拐された事件は、日本でも大

きく報道されたが、それは氷山の一角で、現実はもっと悲惨なものだった。

 

発電所の9割が破壊された為、現在もスラム状態の国や、大旱魃で砂漠化が

進む中、動物が食べると死んでしまう木だけが青々と繁殖している地。

 

「いま地獄に悪魔はいない。みんなルワンダに来たから。」と語った牧師。

もし地獄が存在するなら、それは本当にこの地球上にあるのかも知れない。

 

2004年にインド洋大津波が発生した、その2か月後の訪問報告もある。

死者行方不明者合わせて44万人。ここでも犠牲者の半数は子供だった。

 

親善大使としての著者の口座には、この34年で58億円の寄付が寄せられ、

1円の事務費も貰わず、それは全てニューヨークの本部に送られているそうだ。

 

地雷除去車を開発した山梨の㈱日建の社長の記事もネットで読んだが、

日本にこのような会社があるのは嬉しい驚きだった。