「内容」
アイルランドの麻薬撲滅のためにペンで戦い、麻薬組織に殺された女性の実話。
(2003年 製作国 アメリカ) 映画賞受賞
「感想」
時代は1990年代。ヴェロニカはやり手の新聞記者だった。
当時アイルランドでは子供達にまで麻薬がはびこっていて、「麻薬撲滅・親の会」の
父親の一人は、「警察は家庭の問題と言い、新聞も子供達のことを記事にしない。」
と嘆いていた。
それを聞いた彼女は本腰を入れて調べまわるが、調査は難航。その上、麻薬組織
からあの手この手で脅され、殺される前にも一度足を撃たれている。
ヴェロニカには夫と幼い子供がいた。
それなのに何故彼女は、危険を承知で追及の手を緩めなかったのか。
おそらく、自分にも子供がいたからこそ、これ以上麻薬の犠牲になる子供たちを増や
したくないと考え、そしてまさか本当に殺されるとは思っていなかったのだろう。
ヴェロニカの死は市民による大規模なデモを起こし、警察が動き、憲法が変わった。
売人たちは次々に逮捕され、財産も没収された。
妻であり母親である彼女の、勇気と行動力とその結果には感嘆しかなく、国がもっと
早く真剣に取り組んでいてくれたらと思う。
主演のケイト・ブランシェットは、どんな役にもピッタリとハマる人で、たまに
「あれ?こっちの方が、この人の素に近いのかな。」と、目をパチクリさせられる
ことも。 彼女が出演する映画では、それを見るのも楽しみの一つだ。