[内容]
シエラレオネ共和国を取材したルポルタージュ(2005年出版)。
副題「子ども兵士・ムリアの告白」
[感想]
字が大きく、漢字にはルビが振られているので、子供も一人で読める。
世界で一番寿命の短い国。
手足を切り落とされた人達。
まるで殺人鬼のような子供兵士。
暗澹(あんたん)とした内容が続くが、
しかしこの子供兵士達は加害者でありながら、自らも家族を殺され、誘拐され、
そして麻薬漬けにされ、恐怖に支配された犠牲者であることを教えてくれる。
上記は1991~2002年に、ダイヤモンド鉱山の支配権をめぐって壮絶な内戦が
続いた時のことで、2018年現在、この国の治安は比較的安定しているという。
しかしマラリアなどの感染症により、現在も平均寿命は短く(2016年で51.3歳)、
数年前に日本でも盛んに報道されていたエボラ出血熱では、この国の人も大勢
亡くなったそうだ。
フリージャーナリストである著者が、2015年にシリアのISに惨殺された時、
あちこちで自己責任論が飛び交っていた。
それについて考える意味でも、彼の行動や考えが分かるこの本は、大人にも
読む価値があると思う。
合掌
※ 後藤氏は、この他にも何冊か本を出している。