「内容」
囲碁界のトップ棋士 木谷實氏の夫人が、内弟子たちとの生活を綴っている。
「感想」
27年前に出版された本だが、囲碁を知らない人にも興味深く読めると思う。
木谷道場には全国から70人以上が弟子入りし、50人以上がプロとして入段
している。これは夫人の支えがあってこその偉業だろう。
「皆、自分の子供だと思って育ててまいりました。」
サラリと書いているが、8人の我が子と、小中学生を含む大勢の子達を一緒に
育てるなど、とても並みの女性に出来ることではない。
我が家でも昔、それぞれ先生の指導の下、囲碁を楽しんでいた時期があったので、
石田、大竹、加藤…と、ズラズラと登場する大物の名前に、あの人もこの人も皆、
木谷道場の内弟子だったのかと、読みながら楽しい驚きの連続でもあった。
息子さんのあとがきが、この本を一層引き締めている。
今年、史上最年少の10歳のプロ棋士が誕生した。
お父さんもプロ棋士で、彼女は今まで囲碁先進国の韓国で修業を積んできた
そうだ。
碁石を握らなくなって久しい私が言うのもなんだが、すみれちゃんが将棋の
藤井七段のように、衰退してると言われる日本の囲碁界の追い風になって
くれれば…と期待している。