[内容]
かつてナチスに家族を殺された老人が、一人で復讐の旅に出るサスペンス映画。
(2015年 製作国カナダ・ドイツ) 映画賞受賞
[感想]
介護施設で暮らす90歳のゼヴは、認知症だが日常生活に大きな支障は無い。
同じ施設のマックスとは友人で、2人は70年前にアウシュヴィッツ収容所で
家族を殺されていた。
ある日ゼヴはマックスから手紙を渡され、
その後すぐ誰にも告げずに一人汽車に乗り込んだ。
その手紙には2人の家族を殺した男の、本名と偽名が書かれていた。
偽名に該当する男は4人おり、彼らの住所も書いてある。
男たちの家を探し歩く認知症の老人の一人旅は、当然ながら失態続き。
それでも旅を続ける彼の復讐の一念に、ナチスの罪深さを思った。
結局最後に衝撃の真実を知ることになるのだが、その瞬間のゼヴの絶望。
彼とは対照的に、淡々と語るマックスの深い苦悩が痛ましい。
ただのサスペンスではなく、中身の濃い考えさせられる映画だった。