ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

(映画) 『手紙は憶えている』 主演クリストファー・プラマー

[内容] 

かつてナチスに家族を殺された老人が、一人で復讐の旅に出るサスペンス映画。

                                                    (2015年 製作国カナダ・ドイツ) 映画賞受賞

 

[感想]

介護施設で暮らす90歳のゼヴは、認知症だが日常生活に大きな支障は無い。

同じ施設のマックスとは友人で、2人は70年前にアウシュヴィッツ収容所で

家族を殺されていた。

 

ある日ゼヴはマックスから手紙を渡され、

その後すぐ誰にも告げずに一人汽車に乗り込んだ。

 

その手紙には2人の家族を殺した男の、本名と偽名が書かれていた。

偽名に該当する男は4人おり、彼らの住所も書いてある。

男たちの家を探し歩く認知症の老人の一人旅は、当然ながら失態続き。

それでも旅を続ける彼の復讐の一念に、ナチスの罪深さを思った。

 

結局最後に衝撃の真実を知ることになるのだが、その瞬間のゼヴの絶望。

彼とは対照的に、淡々と語るマックスの深い苦悩が痛ましい。

 

ただのサスペンスではなく、中身の濃い考えさせられる映画だった。

 

手紙は憶えている [DVD]